質問力の高め方~コーチングスキル活用のトレーニング方法
営業時に、お客様からもっとニーズを引き出したい
面談時に、部下からもっとモチベーションを引き出したい
面接時に、学生の本音を引き出したい
これらの課題を解決するには、質問力を向上しなければなりません。
質問力の強化によって、「話題を広げる」「誤解を防げる」などの効果が得られます。
一方、質問攻めになると、相手は心を閉ざし、逆効果になります。
質問力は、高め方を間違えると問題になります。
もし嫌いな相手が、質問力の本に載っている方法を駆使して、質問してきたら素直に答えますか?
おそらく「なんで答えなあかん?」と、さらに心の壁を厚くするでしょう。
あなたが答えてくれないので、あの手この手で質問攻めをしてくるかもしれません。
質問力の本に載っているノウハウを駆使してきたところで、あなたは本音で答えないでしょう。
質問力を駆使するには、信頼関係を含めた高い傾聴力が大前提です。
本来はいちいち質問をしなくても、相手から報連相してくれる状態にするのが望ましいです。
質問力の高め方は、傾聴力も同時に高められるコーチングスキルのトレーニングをオススメします。
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【目次】 |
質問力のメリット
質問力といっても、2つのタイプがあります。
・自分が知りたいことを訊きだす質問力
・相手の気づきを引き出す質問力
前者は、尋問や詰問などにつながる恐れがあります。
このコラムでは、後者の「相手の気づきを引き出す力」を質問力と呼ぶことにします。
質問力のメリットについて説明します。
疑問を解消する
多くの方が、質問は「自分が知りたいこと」を知る目的に使います。
「知りたいこと」をきけたら、疑問が解消されるからです。
質問は「自分のための質問」と「相手のための質問」に分けられますが、疑問の解消は「自分のための質問」です。
質問力を高めるには、「相手のための質問」ができなければなりません。
視野を広げる
質問力は、視野の広さを変えます。
「~~でなければならない」と、考え方が固定している人に、「~~でなければならない」と考えていない人はみんな失敗しているのですか?
このような質問をするだけで、視点が変わります。
ほとんどの人が、自分の経験と知識を意思決定のよりどころにします。
視野を広げるだけで、意思決定の際の選択肢が増えるのです。
どのような質問をされるかによって、選択肢の幅が変わります。
あいまいなものを見える化する
多くの人は、あいまいな世界を生きています。
「多くの人がそう思っている」
「がんばる」
「むずかしい」
などなどの言葉がよく使われますが、具体的な中身はわかりません。
「多くの人とは、具体的に何人ぐらい?」
「がんばるって、具体的に何をすること?」
「むずかしいって、すべての人にとっても難しい?」
質問力で、あいまいなことが見える化されます。
視野を広げ、曖昧なものが見える化によって、課題が明らかになります。
目標への課題解消が促され、達成に近づくよう行動が促されます。
コミュニケーションの質が高まる
コーチングでは、「傾聴」「質問」「フィードバック」をまとめて「聴く力」と呼びます。
「質問」は、相手から話を引き出すのに活用します。
相手がたくさん話してくれるほど、コミュニケーションの質が高まります。
しかし、質問しても、嘘を答えられたら意味がありません。
本音で答えてくれるには、信頼関係と傾聴力が必須条件となります。
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質問力を正しく理解する
質問力とは、何かを説明します。
質問と尋問、尋ねるなどの違いを理解しておくことが大切です。
相手の視点をコントロールする
質問力は、相手の視野を広げ、視点をコントロールする目的で使います。
人は普段活動しているとき、意識には、現在必要な情報だけを使っています。
そこに、「先週の日曜日何をしてましたか?」と質問されると、視点が「先週の日曜日」に飛びます。
質問力を駆使して、相手の視野を広げます。
尋問との違い
質問と似たものに、尋ねる、尋問する、訊くという言葉があります。
特に注意したいのは尋問です。
質問攻めのような意味になります。
尋問は、相手に自白させたり、言い負かしたり、説得したりするときに使う質問手法です。
攻撃的な質問法となり、攻撃されると相手は守りに入ります。
守りに入ると、視点が固まってしまいます。
質問力は視野を広げるのが目的なので、視野を固定する尋問とは異なります。
質問力の高め方
質問力の高め方について説明します。
高め方は、コーチングセッションのトレーニングがオススメです。
オープンクエスチョンとクローズドクエスチョン
質問力は、オープンクエスチョンを意識が大切です。
オープンクエスチョンとは、「はい、いいえ」で答えられない質問です。
逆に、「はい、いいえ」で答えられる質問をクローズドクエスチョンと呼びます。
オープンクエスチョンを意識する理由は、視野を広げることが質問力の目的だからです。
例えば
クローズドクエスチョン:明日は休みですか?
オープンクエスチョン:明日は、どのように過ごすのですか?
それぞれ、話の広がり方が変わるのがわかるでしょう。
オープンクエスチョンを意識した方が、コミュニケーションの量が増えます。
チャンクダウンを意識する
質問力は、チャンクダウンを意識する。
チャンクダウンとは、具体化、見える化、明確化する質問です。
「むずかしい」「たくさんの」「問題がある」などの発言は、発言者の主観で発言しています。
聴き手は、本当の意味で、内容を分かっていません。
コミュニケーションで、お互いに情報を共有するには、明確化する必要があります。
その時、質問に使うのがチャンクダウンです。
一言で言えば、「具体的には?」です。
「むずかしいって、具体的に何がどのように難しいのか?」
「たくさんって、具体的にどれぐらい?何と比較して?」
「問題があるって、具体的に問題の内容は?」
「絶対無理と思う具体的な理由は?」
などのようなチャンクダウンが必要です。
心理テクニックに走らない
何度も繰り返しますが、質問力が発揮されるには「信頼関係」と「傾聴力」が大前提です。
フット・イン・ザ・ドアなど、心理テクニックなどに頼りすぎると、最初はうまくいくかもしれませんが、信頼関係が壊れるかもしれません。
心理テクニックは、「相手をコントロールしてやろう」という目的で使われることが多いからです。
自分をコントロールしてこようとする人を好きにはなれないでしょう。
信頼関係が壊れたら、再構築はとても労力がかかります。
「相手のための質問」の意識を忘れないようにしてください。
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質問力で相手の気づきを引き出そう
コミュニケーションにおいてもとめられる力が、話題を広げる力と、誤解を防ぐ力です。
コミュニケーションの質を高める力です。
話題を広げ、誤解を解消し、共通の情報を持てるように活用するのが、質問力です。
コミュニケーションの目的は、情報共有です。
質問力が欠かせないのです。
質問力を高めると、相手の視野を広げ、気づきを引き出します。
コミュニケーションの質が、質問力によって大きく高まるのです。
質問力の高め方はコーチング・コミュニケーションのトレーニングがオススメです。