ビジネスでワンチームに~会社組織の一体感を醸成する方法~
2019年流行語大賞が「ワンチーム」となり、多くの会社で「ワンチームになろう」とのかけ声が、活発に行われています。
しかし、「ワンチームになろう」とかけ声だけで、ワンチームになれるほど、チームビルディングは簡単ではありません。
特にビジネスの世界では、ワンチームになれない会社が多いです。
「チーム一丸になろう」の言葉は、特に新しい言葉ではありません。
「チームワークは、強い方が良い」は、言われなくてもわかっています。
昔から「チームワークが大切」と言われ続けながら、「チームワークを強化できない」状況が続いています。
チームワークを強化する方法は、シンプルです。
組織の3つの要素(共通目的、協働意欲、コミュニケーション)を強化すれば良いだけです。
中でも、共通目的とコミュニケーションの強化が欠かせません。
チームが一丸になるには、共通目的を示してチームを引っ張るリーダーシップ力、チームをまとめるコミュニケーション能力が重要です。
チームワークを強化する方法について説明します。
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【目次】 |
ビジネスでワンチームがもとめられる背景
会社が経営課題に立ち向かうには、「ワンチームになること」がもとめられます。
一人ひとりが自分勝手に行動したら、会社の生産性は大幅に落ち込みます。
大企業でも、ワンチームになれずに苦しんでいる会社が増えているのが現状です。
経営不振の会社では、逃げ出そうとする社員も多いため、ワンチームになりにくいです。
ワンチームになれないから、さらに業績が悪化するという悪循環に陥ります。
「ワンチームになろう」と掛け声だけではなく、ワンチームになるために「具体的に何をするか」の施策を示すことが大切です。
ワンチームとは
「ワンチーム」とは、具体的にどのような状態でしょうか。
各企業のリーダーたちが、ワンチームという言葉をよく口にします。
しかし、「ワンチームになろう」といったところで、ワンチームになれないのは明らかです。
逆に冷めた雰囲気になるかもしれません。
ワンチームとは、「組織の一体感」が強い状態です。
強いチームワーク、団結力、組織力などといった表現方法があります。
つまり、ワンチームという言葉の意味は、特に新しいものではありません。
チームワークの強化は、昔から重要視されていました。
みんなが協力し合った方が、生産性が高まるからです。
ワンチームになれない理由
チームワークが強い方が良いとわかっているのに、どうしてできないのでしょうか。
それは、メンバーにとって、チームに協力する意味を感じないからです。
ラグビーであれば、「勝つ」目的に全員が協力し合います。
チームメンバー全員勝ちたいからです。
会社であれば、「業績を良くしたい」という目的を全員が持っているわけではありません。
出世意欲の高い社員は、モチベーションが高いかもしれません。
出世意欲の低い社員は、できるだけ楽をしたいと考えているかもしれません。
全員の目的がバラバラであれば、一丸になることはできません。
また、経営不振の会社の場合どうでしょう。
頑張ったところで、給料が上がりません。
そうであれば、チームに協力するメリットを見いだせなくなるでしょう。
給料だけでモチベーションを引き上げようとしてきた会社は行き詰ります。
ワンチームになるためには、給料以外の「魅力的な目的」が必要なのです。
・仕事自体にやりがいがある
・尊敬できる仲間と働ける
など
ワンチームになるためには、魅力的な共通目的と、コミュニケーションが必要なのです。
【コラム】コーチングは独学でもマスターできる?~効果的な勉強方法~
ワンチームになる方法
ワンチームになるには、「魅力的な目的」が必要です。
他にも「コミュニケーション」や「リーダーシップ」の強さによっても、ワンチームの強さが変わります。
どのようにチームビルディングを行えば良いか、組織論の観点から説明します。
組織の3要素の強化
ワンチームを組織力と捉えて、組織論の観点から説明します。
組織を構成するものに、3つの要素があります。
・共通目的
・協働意欲
・コミュニケーション
これら3つが存在して、初めて組織と言えます。
そして、組織力の強化は、これら3つを強化すれば良いのです。
共通目的について、メンバーにとって「魅力的な目的」であればあるほど、自発的な「協働意欲」が生まれます。
会社の共通目的は、経営理念であらわされることが多いです。
「自社には、立派な経営理念がある」といっても、誰も知らなければ、共通目的にはなりません。
魅力が無ければ、社員にとっては関心の無い目的となり、共通目的になりません。
共通目的が存在していても、「誰も知らない」「魅力が無い」であれば、「協働意欲」は生まれません。
「共通目的」の共有には、「コミュニケーション」が必要です。
そして、社員全員に共感される必要があるのです。
「共通目的」「協働意欲」「コミュニケーション」が強ければ強いほど、ワンチームになれます。
リーダーシップとコミュニケーション
組織の3要素から、まず「魅力的な目的」を発信する「リーダーシップ」が重要であるのがわかります。
リーダーは、よく船の船長に例えられます。
リーダーが不在であれば、メンバーは路頭に迷います。
船であれば、遭難するでしょう。
そして、メンバーに「伝える」「共有する」ために、「コミュニケーション」が重要です。
「コミュニケーションの大切さ」は、テレワークの活用が広がる中、さらに大切さを感じる機会が増えているのではないでしょうか。
誰が何をやっているのか分からない状態では、ワンチームになれません。
人材不足、社員の退職増加、メンタルヘルスによる休業、パワハラなどによる労災申請などは、職場内のコミュニケーション不足によって発生しています。
リーダーシップの影響も大きいですが、組織が大きくなってくるほどコミュニケーションの重要性が増してきます。
ワンチーム同様、「コミュニケーションが大切だ」とスローガンを掲げても、コミュニケーションが強化されません。
コミュニケーションの強化も、「具体的に何をすればよいか」を示す必要があります。
多くの場合、スピーチやプレゼンテーションなど、「話す力」のトレーニングに偏りがちです。
それは、「コミュニケーションとは」を、正しく理解できていないからです。
コミュニケーションとは
「コミュニケーション能力強化」に、会社ではどのようなスキルをトレーニングしますか?
スピーチ練習、プレゼンテーション練習、営業ロールプレイングなどでしょうか?
多くの場合、「コミュニケーション能力強化」と言えば、「話す力」を強化されるケースが多いです。
コミュニケーションは「話す力」と「聴く力」で構成されています。
「聴く力」の強化はしていますか?
聴く力とは
「聴く力」が大切とも、よく言われます。
しかし「聴く力」をつけなさいと言われて、何をしますか?
「耳を澄ます」「耳を掃除する」とかもあるかもしれません。
「ちゃんと聴いてたのか?」と言う場合もあるかもしれません。
「ちゃんと聴けば」どのような難しい話も聴けるのでしょうか?
「聴く力とは」を正しく理解しないと、強化する方法もわかりません。
聴く力とは、「相手に本音でたくさん話させる力」です。
「聴き上手になる力」という表現が近いかもしれません。
それでは、「相手に本音でたくさん話してもらう」には何をすれば良いでしょうか?
聴く力の強化方法
多くの方が、「聴く力を強化しなさい」と言われても、何をしたらよいかわかりません。
そこで、弊社がオススメしている方法が「コーチング・コミュニケーション」のトレーニングです。
コーチングスキルは「傾聴」「質問」「フィードバック」など、相手にたくさん話してもらうスキルで構成されています。
これに「本音で」を加えるために、信頼関係構築方法も含みます。
聴く力を強化する方法として、カウンセリングスキルのトレーニングもありますが、ビジネスで活用するならコーチングスキルの方がオススメです。
ビジネスにおける課題解決から目標達成まで、さまざまなテーマに対して、聴く力を発揮できる方法が、コーチングスキルになります。
「聴く力」強化方法として、コーチングスキルを取り入れたコーチング・コミュニケーションをオススメしています。
【コラム】コーチング、ティーチング、カウンセリング、セラピーの違いとは
コーチング・コミュニケーションで聴く力を強化
「聴く力」の強化方法であるコーチング・コミュニケーションの「コーチングスキル」について、もう少し詳しく説明します。
コーチングとは
コーチングとは、「相手の目標達成をサポートするスキル」を言います。
コンサルティングやアドバイザーなどと目的は同じです。
大きく異なっている点は、「答えを教えない」「アドバイスしない」です。
原則「答えはクライアントの中にある」とします。
だから「答え」はクライアントから引き出します。
どこまで引き出せるかは、「聴く力」に左右されます。
「聴く力」のある上司は、部下の本音をうまく引き出すことができるでしょう。
引き出すスキル(相手に本音でたくさん話させるスキル)が、コーチングスキルです。
コーチングスキルを強化すると、「聴く力」が強化されます。
コーチングスキルとは
コーチングスキルとは、「傾聴」「質問」「フィードバック」で構成されるものです。
【傾聴】相手が本音でたくさん話せる場を作り出す。
【質問】相手の視点を自在にコントロールして、潜在意識から情報を引き出す。
【フィードバック】コーチが気づいた事柄をそのままクライアントに伝え、気づきを引き出す。
これらのスキルを駆使して、相手の中から「答え」を引き出します。
「聴く力」は、「相手が本音でたくさん話してくれる量」で決まります。
ベースは【傾聴】です。
このスキルが無ければ、【質問】が【尋問】に変わります。
そして、最も難しいのも【傾聴】です。
長い期間のトレーニングを必要とします。
【コラム】コーチングは独学でもマスターできる?~効果的な勉強方法~
コーチング・コミュニケーションでワンチームになる
チームワークを大切に!
一致団結してがんばろう!
ワンチームに!
チーム作りが大切なことは、昔からわかっていたことです。
しかし、ワンチームづくりは、いまだに課題でありつづけます。
それは、ワンチームをつくる、絶対的な方法が無いからです。
管理職になると、チームづくりに試行錯誤します。
チームがワンチームになっているかによって、チームの成果が左右されるからです。
それは、管理職の成果が左右されることを意味します。
コロナウイルス感染拡大による影響など、ビジネスでは不測事態がつきまといます。
そのとき、どのように対応できるかは、チームワークに左右されるでしょう。
チームがワンチームになるには、チームメンバー間の活発なコミュニケーションが大切です。
メンバー間のコミュニケーションを活発するには、特にリーダーの「聴く力」が重要です。
リーダーの「聴く力」によって、活発に意見交換が行われる組織か、発言が抑えられる組織か決まります。
「聴く力」は、コーチング・コミュニケーションによって強化されます。
コミュニケーションは、「話す力」と「聴く力」の双方向で、初めて成立します。
そして、「聴く力」が強化されると、コミュニケーションが活性化されます。
「話す力」は、多くの方が、すでに何時間もトレーニングしてるからです。
チーム内の信頼関係が強くなり、コミュニケーションが活性化されると、協力し合おうと協働意欲が生まれます。
協働意欲が高まると、チームワークが強化されます。
ワンチームになります。
「ワンチームになろう!」だけではなく、「具体的に何をするか」示しましょう。
弊社では、コーチング・コミュニケーションによる「聴く力」強化をオススメしています。
研修セミナーを実施していますので、ぜひご活用ください。
【コラム】コーチングのビジネスが怪しい、胡散臭いと感じる理由